英文構造のマスターキー

英文の意味が取れるようになるためには、何が大切か。

それは、もちろん「文の構造がわかる」ということです。もし、あなたが、5文型で英文がよく理解できるなら、それはそれでOKです。何の問題もありません。しかし、そうでない人もたくさんいると思います。私もその一人でした。そんな人のために、たったひとつのマスターキーを使って文構造をつかむ方法を教えます。このマスターキーの考え方は、5文型がわかる人にとっても、必ず役に立つのでしっかり目を通してください。

 

文型にもいろいろな種類がある


英文といえば、文型ですが、文法にいろいろな種類があるように、文型にも、いろいろな種類があります。もちろん、私たちとってもっとも身近な文型は5文型ですので、ここでは5文型について、いくつかの重要ポイントを解説します。


「5文型がわからない」のは当たり前


まず、5文型の基本をまとめておきます。

 

第1文型S V

第2文型SVC

第3文型SVO

第4文型SVOO

第5文型SVOC

 

S 主語、V動詞 C補語


 さて、あなたが、もし「5文型がよくわからない」とすると、じつは、あなたの「感覚」は決して間違っていません。というのも、学校文法ととても深い関係にある「伝統文法」の最高峰と言われる書物では、文型は「7文型」となっています。「5」ではありません。「7」です。

 最高峰の文法書が、文型には「7つある」と言っているくらいですから、5文型にはいろいろな問題点があります。中でも、もっとも大きな問題は、「肝心な部分がカウントされない」ということです。

 例をあげましょう。次の英文を、SVとOまたはCを使って分析してみてください。

 

(1)The speed of light is fast.(光の速度は速い。)

    S         V C

(2)Light travels(fast).(光は速い。)

    S  V   ?

 

ここで、(2)のfastは、(1)のfastと同様、この文に「不可欠な情報」を伝えています。しかし、5文型ではカウントされません。 

 次のような例もそうです。

(3)Edison is the man (who invented light bulbs).(エジソンは電球を発明した人です)

       S        V       C              ?

 ここでも、who以下が分析できないと、文構造がわからないばかりでなく、もっとも重要な情報が欠けてしまいます。

 今度は、次の文を分析してみてください。

(4)Where did you visit (while you were in Australia)?(あなたは、オーストラリア滞在中、どこかに行きましたか)

      O                 S      V          ?

(5)How many cars are( there) (in the parking lot)?(駐車場には、何台の車がありますか)

  S                           V       ?                ?

 おそらく、どの文も意味はわかるはずです。しかし、これらの例では、①「肝心な部分が抜けている」上に、②「分類すること自体が難しい」のです。

 実際、中学校や高校生などを教えていると、意味はわかるけれど、何文型かと聞かれるとわからない」という声をよく耳にします。じつは、私もそうでした。こうなると、何のために文型を習うのか、よくわからなくなります。

 「いや、構造が複雑になると、5文型は役に立つ」という意見も耳にしますが、構造の複雑な文については、たとえ5文型を知っていても、それでいきなりスラスラ読めるようになるには、それなりの時間がかかるものです。 

 加えて、複雑な文の場合には、文型よりも、むしろ、単語・イディオムの意味や、構文についての知識、そして、先ほどの例のように、5文型ではカウントされない(というか、できない)構造のほうが重要な場合がよくあります。